【初心者向け】すぐにデジタル終活をしなければならない6つの理由とは?(チェックリスト・始め方)

目次

皆さんこんにちは。

本日は徐々に社会問題にもなりつつあり、今後ますます社会問題になっていく「デジタル終活」について「初心者向け」に解説をしていきます。

本記事がおすすめな方
  • 「デジタル終活」と聞いて何をすることか頭にすぐ浮かばない方
  • 「デジタル終活」は聞いたことがあるが、何をどうすればいいのか知りたい方
  • 終活をまずはじめてみたいという方

そもそも「デジタル終活」とは?初心者でもわかる基本知識

「終活」と聞くと、多くの方が「お墓」「遺言書」「相続」といった現実的な準備を思い浮かべるかもしれません。

ですが、ここ数年で急速に注目を集めているのが「デジタル終活」です。スマートフォンやパソコンを日常的に使っている方にとっては、決して他人事ではない話です。

特に初心者の方にとっては「デジタル」と「終活」という言葉の組み合わせだけで「何から始めればいいのか」「そもそも自分に必要なのか」と戸惑うこともあるかもしれません。

しかし、デジタル終活は難しい手続きではなく「身の回りのデジタル情報を少し整理すること」から始められるものです。

ここでは、デジタル終活とはそもそも何か、なぜ注目されているのか、そしてどんな人が取り組むべきかを、わかりやすくご紹介していきます。これからの時代を安心して過ごすためにも、まずは基本的な知識を一緒に確認してみましょう。

デジタル終活とは何か?スマホやSNSの整理がなぜ必要?

「デジタル終活」とは、パソコンやスマートフォン、SNS、クラウド上のデータなど、デジタルに関連する財産や情報を整理し、将来に備える取り組みのことを指します。

従来の終活が「目に見える財産」や「書類・遺言」などを対象にしていたのに対して、デジタル終活では「見えない資産」をどう扱うかがテーマになります。

たとえば、スマホに残された写真や動画、ネット銀行の口座情報、SNSの投稿やDM、さらにはAmazonなどのネットショッピングのアカウント情報などがその代表例です。こうした情報は、持ち主が亡くなった後もネット上に残り続ける可能性があります。

特にSNSでは、アカウントを削除せずに放置しておくと「故人が生きているように見える」という事態が起こることもあり、ご家族や親しい方々にとっては心理的な負担となるケースもあるとされています。

また、ネット銀行や暗号資産(仮想通貨)などの資産があった場合、適切な引き継ぎ(相続)が行われなければ相続されずに失われてしまうリスクも考えられます。

初心者の方にとっては「難しそう」と感じられるかもしれませんが、まずは身近なところから始めるのがポイントです。

たとえば、スマホの中にある写真を家族で共有する、不要なアカウントを整理するといったことも立派なデジタル終活の第一歩です。

なぜ今、デジタル終活が注目されているのか

デジタル終活が注目を集めている背景には社会のデジタル化の急速な進展があります。総務省の「通信利用動向調査」(令和5年)によると、60代でのスマートフォンの保有率は約85%、70代でも65%を超えており、高齢層でもスマホが生活に溶け込んでいることがわかります。

その結果、亡くなった後に「スマホのロックが解除できない」「クラウドにある写真の場所がわからない」「ネット銀行に預金があるかどうか不明」といった「デジタル遺産」にまつわるトラブルが増えてきています。こうした事例がメディアなどで取り上げられることも多くなり、関心を持つ方が増えているのです。

また、国や自治体でも終活やエンディングノートの中に「デジタル情報の整理」の項目を加える動きが出てきており、制度面でも終活初心者が少しずつ準備が進められています。

こうした流れの中で、「初心者でも今のうちに始めておいたほうがよいのでは」と考える人が増えてきているのは自然なことと言えるでしょう。大切なのは、完璧を目指すことではなく、できることから少しずつ整理していくことです。


実は誰もが関係する「デジタル遺品」の問題とは

「自分は特別なデータなんて持っていないから、関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には多くの方が日々の生活の中で、知らず知らずのうちに「デジタル遺品」を残しています。

たとえば、スマートフォンには数百、数千枚の写真が保存されていたり、LINEやメールに大切なやり取りが残されていたりします。これらはご本人にとっては日常の一部かもしれませんが、突然のお別れのあと、残された方々にとっては「見たいけれど見られない」「消していいのかわからない」といった迷いを生むこともあります。

さらに、近年ではネットバンキングやキャッシュレス決済を利用する方が増えています。

通帳がないため、残されたご家族が「そもそもどこの銀行に口座があるのかすらわからない」というケースも少なくありません。

こうした問題を未然に防ぐには、デジタル終活を通じて、情報をきちんと整理し、記録しておくことが有効です。

初心者の方にとっても、「全てを完璧に管理する」のではなく、たとえばスマホのロック解除方法を信頼できる人に伝えておくだけでも、大きな助けとなります。

終活初心者でもすぐにデジタル遺産の整理を始めるべき6つの理由について

「デジタル終活って、本当に今から始める必要があるの?」そう感じている初心者の方も多いかもしれません。ですが実は、デジタル終活を後回しにすることで起こるトラブルや、遺された方々が直面する負担は年々増えています。

特に、スマートフォンやパソコンを通じて、私たちは日常的に個人情報を発信・保存しています。SNSやネットサービスのアカウント、クラウド上に残るファイル、課金型のサブスクリプション……それらが万が一の時に整理されていなければ、想像以上のトラブルを招くことがあるのです。

ここでは、デジタル終活を今すぐ始めておくことの大切さを、6つの理由に分けてご紹介します。初心者の方にもわかりやすく、日常に即した視点から説明していきます。

1. スマホに残る個人情報が悪用されるリスク

スマートフォンには写真や連絡先、クレジットカード情報、ログインIDとパスワードなど、私たちの個人情報が詰まっています。近年ではスマホひとつで買い物や銀行の残高確認、保険の契約までできてしまうため、まさに「小さな金庫」といえる存在です。

このスマホを適切に管理せずに放置してしまうと、万が一お亡くなりになったあとに誰かが不正にアクセスし、悪用する可能性が出てきます。

たとえば、端末のロックが外されたままの状態だった場合、保存されたクレジットカード情報が使われるケースや、詐欺的な目的で連絡帳の情報が流出してしまう危険性も指摘されています。

デジタル終活ではこのような事態を防ぐために、まずスマートフォンのロック設定や、パスワードの整理・保管の見直しが必要とされています。

初心者の方にとっては難しそうに感じるかもしれませんが、「家族にパスワードの保管場所だけでも伝えておく」といったシンプルな対応からでも始めることが可能です。


2. SNSアカウントが乗っ取られてしまう可能性

SNSアカウントの管理も、デジタル終活において見過ごせない課題の一つです。X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなど、多くの方が日常的に利用しているサービスは、実はお亡くなりになったあとにも「アカウントが存在し続ける」構造になっています。

このような放置されたアカウントは乗っ取りのリスクを高める原因になるとされています。

たとえば、過去に設定していた弱いパスワードがそのまま残っていると、悪意ある第三者に不正ログインされ、スパム投稿や詐欺広告の発信元にされてしまうこともあります。結果的に、フォロワーや友人・知人が被害に遭ってしまうおそれも出てきます。

こうしたリスクを防ぐためには、SNSアカウントの削除や凍結申請を家族が行えるように、アクセス情報や利用サービスのリストを残しておくことが重要です。

特に初心者の方にとっては、「どのSNSを使っていたか」を思い出してリスト化するだけでも、デジタル終活の第一歩となります。


理由3:家族がデジタルデータにアクセスできず相続や遺品整理ができない

スマートフォンやパソコンの中には、大切な連絡先や家族との写真、仕事の資料などが保存されていますが、それらは持ち主がいなくなった時点で「簡単には開けない箱」となってしまいます。

たとえば、スマートフォンにロックがかかっている場合、たとえご家族であっても中身を見ることはできません。また、クラウドストレージ(Google DriveやiCloudなど)に保管されたデータも、IDやパスワードが不明であれば事実上アクセス不可能となります。

こうした「見られないデータ」は、場合によっては生活に支障をきたすこともあります。仕事の資料が必要だったり、友人への連絡ができなかったりと、意外な場面で困ってしまうケースも少なくありません。

デジタル終活ではこうした状況に備えて「誰が、何のデータにアクセスできるか」を可視化しておくことが望ましいとされています。初心者の方は、まずスマホやパソコンのログイン情報を書き出すところから始めてみると良いでしょう。


4. サブスク・課金サービスの停止ができない

NetflixやAmazon Prime、Spotify、Adobeなど、今や多くの方が「月額課金型」のサービス(いわゆるサブスク)を複数利用しているのが当たり前の時代です。

中には10個以上のサブスクを契約していたが亡くなったあともずっと課金が続いてしまい、家族がその存在に気づくまで数ヶ月以上が経ち支払いのトラブルに見舞われたというケースもあります。

また、スマホのアプリ内課金やオンラインゲームのサブスク、ビジネス用ツールの月額料金なども、自動更新が止まらなければ出費だけが続いていくことになります。

こうした費用はご家族や相続人が気づいた時点で初めて発覚し、「何にいくら払っていたのか」を調査するために多くの手間と時間を要することになります。

デジタル終活では、これらのサービス名や契約状況、IDやログインURLなどをまとめておくことが基本の作業になります。

初心者の方にとっても、クレジットカードの明細を一度確認するだけで、サブスクの多くが把握できるはずです。「とりあえずリストにして残しておく」ことから始めてみましょう。


5. クラウドに遺る「デジタル遺品」が放置される

「クラウド」はとても便利な仕組みですが、亡くなった後には「行方不明のデータ倉庫」になってしまうことがあります。GoogleフォトやiCloud、Dropbox、OneDriveなどに保存された写真や書類はアクセス方法がわからないとそのまま放置されることになります。

このような「見えないデジタル遺品」が家族のもとに戻ってこないまま埋もれてしまうのは、大きな損失とも言えます。

中には、お子さんの成長記録や旅行の思い出、大切な契約書類などが保存されている場合もあり、「存在を知っていれば見つけられたのに」と後悔が残ることも少なくありません。

初心者の方にとっても、「自分がどのクラウドサービスを使っているか」を書き出しておくだけで、将来の負担を減らすことができます。ログインIDやパスワードの管理が不安な方は、紙に控えて金庫などに保管する方法も検討してみるとよいでしょう。


6. 残された家族や相続人に精神的・経済的な負担をかける

そして6つ目の理由が一番懸念する方が多いのですがデジタル終活を行わないままお亡くなりになると、残されたご家族や相続人が情報の整理に追われることになります。

特に、どのアカウントに何があるかがわからない状態では、1件ずつ探す手間や、問い合わせにかかる時間・費用が膨らんでしまう可能性があります。(このトラブルが本当に近年増加していて、社会問題にもなりつつあります)

また、精神的な負担も見逃せません。ご家族が悲しみに暮れる中で、「これを勝手に削除していいのか」「このメッセージを見るべきかどうか」といった判断を求められることは、心に重くのしかかることもあるのです。

初心者の方にとっても、こうした負担を軽減するために「最低限の情報だけでも書き残しておくこと」が重要とされています。例えば、「連絡してほしい人のリスト」や「必ず伝えておきたいSNSの情報」などを1枚の紙にまとめておくだけでも、ご家族の負担は大きく変わります。

初心者のためのデジタル終活「準備チェックリスト」(簡易版)

ここまで読んでくださった方は「デジタル終活の必要性はわかったけれど、何から始めればいいのか分からない」と感じているかもしれません。

特に初心者の方にとっては、専門的な手続きやが「難しくてよくわからない」という声が多く、なかなか一歩が踏み出せないという声もよく耳にします。

そこでこのパートでは、初心者の方でも無理なく始められる「簡易チェックリスト」をご紹介します。

内容は専門的な知識がなくても取り組めるシンプルなものばかりです。順番通りに対応していくだけで、自然とデジタル終活の基本が整っていく構成になっています。

それでは早速、スマホやSNSの整理から始め、重要なデータの保管、そして信頼できる方への情報の託し方まで、具体的な手順を見ていきましょう。


まずはスマホ・SNSのログイン情報を整理する

デジタル終活の最初のステップとして、多くの専門家が推奨しているのが「ログイン情報の整理」です。スマートフォンをはじめ、LINEやInstagram、Facebook、Gmailなど、私たちは日々さまざまなサービスにログインして生活しています。

しかし、いざというときにこれらのログイン情報が第三者にわからない状態だと、家族がアクセスできずに困ってしまうことになります。

これが今や社会問題になりつつあり、「情報を残さずに逝去してしまい、サブスクやネット通販の定期便を止めたいけど止められない」ことが残された家族にとってかなり大変な死後の整理の一つとなっています

加えて近年はサイトやアプリのセキュリティレベルも上がっていて、スマートフォンのロック解除だけでなく、各サービスごとにIDやパスワード、二段階認証の有無まで把握するのは非常に手間のかかる作業です。

初心者の方は。。まず以下のような「自分が普段使っているサービスの棚卸し」から始めるのがよいでしょう。

  • スマートフォンのロック解除方法(パスコード/指紋/顔認証)
  • よく使うSNSやメールアドレス
  • オンラインバンキング、ショッピングサイト、サブスクサービスのID

これらの情報を「エンディングノート」や「パスワード管理アプリ」「手書きのメモ帳」などに記録し、保管しておくことで、ご家族が必要なときにすぐ確認できるようになります。

また、情報は常に最新の状態に保つことが大切です。半年に一度など、定期的に見直す習慣を持つことが、より安心なデジタル終活につながります。


重要データや写真を安全な場所に保管する

次に行いたいのが、大切なデジタルデータの整理と保管です。

スマホやパソコンの中には、お子さんやご家族との思い出の写真、重要な書類や契約情報、または仕事上の大切な資料などが保存されていることが多くあります。

これらをすべて端末内に残したままにしておくと、故障や紛失、お亡くなりになった後のアクセス不能などの理由で、二度と取り出せなくなってしまう恐れがあります。そこで、初心者の方におすすめしたいのは、以下のようなシンプルな整理法です。

  • 写真や動画を定期的に外部ストレージ(USBや外付けHDD)に保存する
  • 大事なファイルはクラウドストレージ(Google DriveやDropbox)にもバックアップを取る
  • 整理したデータの内容や場所を、紙のメモや共有リストとして家族に伝えておく

特にスマホの中の写真は、気づかないうちに数千枚にも増えていることがあります。全てを完璧に整理するのは難しくても、「特に大事な写真」だけでもピックアップしてUSBや現像して別で保存しておくことで、あとからの対応がグッと楽になります。

初心者の方でも、これらの作業は一度習慣にしてしまえば難しいものではありません。これは終活だけではなく、思い出の整理とバックアップという観点でも効果的です。

デジタル終活とは「未来に安心を渡す整理術」でもあります。大切な思い出が埋もれてしまわないよう、今できる範囲から少しずつ始めていくことが大切です。

信頼できる人に情報を託す方法と注意点

デジタル終活では、情報の整理・保管に加えて「その情報をどう伝えるか」も大きなポイントとなります。

自分しか知らないパスワードや利用サービスの情報はきちんと託しておかない限り、いざという時に役立たないものになってしまいます。

では、誰に、どのように託すのがよいのでしょうか。基本的には、ご家族の中で信頼できる方や、長年付き合いのあるご友人などが適任とされています。ただし、情報を託す相手に対しては、以下のような配慮が望ましいです。

  • 相手に過度な負担がかからないようにする
  • 紙に書いた情報は封筒に入れ、「開封のタイミング」を明記して渡す
  • パスワードの一部のみを伝え、残りは別の手段で共有するなど、セキュリティ面も考慮する

また、信託サービスや「デジタル遺品対応のエンディングノート」などを活用することで、情報管理の精度を高めることもできます。現在では、行政書士や司法書士などが提供する「デジタル資産整理の支援サービス」もあり、希望に応じてこうした専門家へ相談する道も広がっています。

初心者の方にとっては、「人に個人情報を預けるのが不安」という気持ちもあるかもしれませんが、必要最低限の情報だけを伝えるという方法でも十分です。

大切なのは、「誰に」「何を」「どう託すか」を、あらかじめ自分なりに整理しておくことです。

※本当に信頼できる方へ預けることが重要です。本当によく検討をしましょう。

初心者向けデジタル終活の始め方|今日からできる簡単なステップ

「デジタル終活」という言葉を知っても、「実際に何から始めればいいのかわからない」「日々忙しくて手が回らない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

特に初心者の方にとっては、専門的な知識・用語や手続きが多そうに思えて、なかなか取り組みにくいものかもしれません。

ですがご安心ください。

デジタル終活は何か特別な準備が必要なわけではなく、今日からでも気軽に始められる「小さな整理」からスタートできます。ここでは、初心者の方でもすぐに取り組めるシンプルなステップや、便利なサポートツールの活用法、そして必要に応じた相談先についても紹介していきます。

終活と聞くと、重たく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、未来の安心のために「今」を少し整えるという気持ちで、気軽に読み進めてみてください。


初心者でも迷わない!3ステップで始める終活準備

初心者がデジタル終活を始めるにあたって、いちばん大切なのは「完璧を目指さないこと」です。思い立ったときに、できる範囲で始める。これこそが最も無理のないやり方です。ここでは、誰でもすぐに実行できる3つのステップをご紹介します。

ステップ1:自分の「使っているサービス」を書き出す
まずは、普段使っているスマートフォンのアプリ、SNS、メール、ネットショッピング、サブスクリプションサービスなどを思い出しながらリストアップしてみましょう。「こんなに使っていたのか」と驚かれる方も多いはずです。

ステップ2:ログイン情報を記録する
ステップ1で書き出したサービスについて、それぞれのログインIDやパスワードを整理して記録します。紙のノートでも、パスワード管理アプリでも構いません。重要なのは「誰かが見つけられる形で残す」ことです。

ステップ3:伝えるべき人に共有する方法を考える
情報を誰に託すか、どのように伝えるかも、終活の大切な一部です。信頼できるご家族や友人、または専門家に託す準備を進めておきましょう。

このように、デジタル終活は、初心者でも3つのステップでスムーズに始められます。取り組みのハードルを上げすぎず、日常の中で少しずつ整理していくことが成功のコツです。


無料・便利な終活サポートツールを活用しよう

デジタル終活を行う際、「何をどう書き出せばいいのかがわからない」という声は多く聞かれます。そんなときに役立つのが、無料で使える終活サポートツールです。最近では、高齢者にも使いやすい設計のスマホアプリやテンプレート資料が多数提供されています。

たとえば、「エンディングノートアプリ」では、使っているサービスや財産の一覧、遺言や家族へのメッセージなどを記入できるようになっており、紙のノートよりも手軽に始められます。また、パスワード管理に特化した無料ツールもあり、セキュリティ対策も万全です。

代表的な無料ツールには以下のようなものがあります。

  • 【マイノートエンド】スマホで使えるエンディングノートアプリ(App Store / Google Play)
  • 【終活手帳PDF】各自治体やNPOが配布するテンプレート資料
  • パスワード管理アプリ

初心者にとって重要なのは、「道具を使いこなすこと」よりも、「使いやすいものを選ぶこと」です。

使い慣れた紙とペンが安心ならば、それでもまったく問題はありません。

自分に合ったツールを選び、無理のないペースで取り組むことが、継続するためのコツです。


必要に応じて専門家や家族と相談するのも手

デジタル終活をひとりで抱え込む必要はありません。内容が複雑になってきたり、自分で判断しきれない情報が出てきたときには、家族や専門家と一緒に考えることも選択肢のひとつです。

たとえば、ログイン情報や財産に関わる部分では、情報をどう残せばいいのか、どこまで共有していいのかに迷うこともあるかもしれません。

そんなときには、信頼できる家族や相続人と「どこまで知っていてもらうべきか」「どんなときに伝えるのか」といった話し合いをしておくと、のちの混乱を防ぐことができます。

また、最近ではデジタル資産に詳しい行政書士や司法書士が「デジタル終活相談」を受け付けているケースもあります。エンディングノート作成のアドバイスや、遺言と絡めた対応を一緒に検討できるのも安心材料のひとつです。

初心者の方ほど、「困ったときは相談する」という姿勢が大切です。すべてを自分ひとりで完璧に整える必要はありません。「わからないことは聞けばいい」と思えるだけで、取り組みやすさも大きく変わってきます。

まとめ:デジタル終活は「まだ早い」ではなく「今すぐ」が正解(特に初心者は)

デジタル終活は、高齢者や終末期にある人だけの話ではありません。むしろ、スマホやSNSが日常に深く根づいた現代においては、年齢に関係なく、すべての人が向き合うべき“新しい終活”のかたちです。

特に初心者の方は、「まだ早い」「面倒そう」と感じるかもしれません。しかし、ほんの小さな一歩でも、今始めることで将来の不安を大きく減らすことができます。

この記事ではデジタル終活の基本知識から始まり、今すぐできる準備やチェックリスト、ツールの活用法、そして誰に相談すべきかまで、段階的にご紹介してきました。ここで改めて、なぜ今すぐ取り組むべきなのかを振り返っておきましょう。

デジタル終活は「自分のため」そして「家族のため」

終活と聞くと、「死後のことだから、自分には関係ない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、デジタル終活に取り組む目的は単に「残された人に迷惑をかけないため」だけではありません。

実は、自分自身がこれからを生きる上で安心できる環境を整える。つまり、「デジタルの整理=暮らしの整頓」でもあるのです。どのサービスを使っていて、どんな情報がどこにあるかを把握することは、今後の生活のムダを省き、心の余裕をつくることにもつながります。

また、突然の出来事で自分の情報が家族に伝わらなかった場合、金銭的なトラブルや精神的な負担を与えてしまう可能性もあります。実際、SNSやスマホが故人のまま放置され、詐欺被害や誤解を生む例も報告されています。

だからこそ、デジタル終活は「自分のため」でもあり、「大切な人のため」でもある――その両面を持つ取り組みといえるでしょう。


スマホ・SNS時代の新しい終活は、誰にとっても必要な備え

「終活」と聞くと、これまでは遺言書やお墓のことなど、アナログな準備が中心でした。

しかし、スマホやSNSが生活の一部となった今では、「デジタル情報の整理」も新たな終活の柱になりつつあります。

とくにスマートフォン一台で、買い物、銀行取引、写真撮影、連絡手段まで担っている現代人にとって、もしもの時にその端末にアクセスできなければ、私生活もビジネスも停止してしまう可能性があります。

最近ではスマートフォンにマイナンバーの紐づけや運転免許書の紐づけなどもできるので、ますますスマートフォンの重要視絵が増していますし、管理が非常に重要になります。

そのため、パスワードや契約情報、写真などのデータ管理は老若男女問わず、現代人すべてにとっての「備え」として必要不可欠なものといえるでしょう。

初心者の方でも、すべてを完璧に行う必要はありません。

むしろ、いま思い出せる範囲で「見える化」することだけでも、大きな一歩です。スマホやSNSとともに暮らす時代だからこそ、デジタル終活は“これからの当たり前”として、少しずつ意識しておくとよいかもしれません。


初心者だからこそ、今すぐできる準備がある(人生の最後くらいきちんと締めくくりたい)

デジタル終活を始めるタイミングに「早すぎる」ということはありません。むしろ、初心者のうちに、負担が少ない今の段階から始めておくことが、もっとも効率的で、あとから自分を助けてくれることになります。

多くの人が「いつかやろう」「そのうち」と思いながら手をつけられずにいる中で、いま一歩を踏み出すことができれば、あなたのデジタル情報はきっときちんと整っていくはずです。

そしてそれは、人生をきちんと締めくくるという意味でも、大切な儀式になるかもしれません。大切な家族に、自分らしい最後を伝えるための準備として。これからの自分のために、生活をスッキリさせるきっかけとして。

「初心者だから不安」なのではなく、「初心者だからこそ、最初の一歩が大事」なのです。今日から始められる小さな整理が、明日の安心につながっていく。そう考えて、まずはひとつ、スマホの中を見直すことからはじめてみてはいかがでしょうか。