SEOの内製化・インハウス化で失敗するよくあるケース3選

皆さんこんにちはプロストイックの久保田です。本日はSEOにおけるインハウス化(内製化)の失敗例について解説させていただきます。

SEOの内製化・インハウス化とは?

まずSEOの内製化(インハウス化)とはどんなものなのかについてイメージを広げましょう。

SEOには内部対策、外部対策それぞれありますが、ほとんど内部対策を手動で動かしていくことになります。内部対策には主に2種類あり「コンテンツSEO」と「テクニカルSEO」があります。

コンテンツSEOはブログ記事を書いたりサイト内のキーワードを見直したりする言わばユーザーから見える部分が主です。テクニカルSEOは逆にユーザーから表面上は見えないサイトの表示速度を速くするため画像を軽くしたり、ページの読み込み速度を速くしたりすることです。

最終的にはコンテンツSEO、テクニカルSEOのいずれかをインハウス化するという話になりますが具体的にどんな業務があるのかまずは把握しましょう。

キーワード精査・順位確認

まずはコンテンツSEOについてです。

コンテンツSEOは記事の管理や更新などgoogleでの検索順位を上げるために行う施策です。チェックとしてユーザーにニーズがあるキーワードや検索されているキーワードに対して、既存の記事タイトルや記事本文にキーワードを入れているかなどを精査するタスクです。

そして各記事が狙っているキーワードに対して現状の順位がどのくらいなのかもタスクになります。毎日とは言いませんが、週次ペースで順位については確認することを推奨しています。

コンテンツ管理・記事リライト

キーワードの精査ができたら次はコンテンツ(記事)の管理です。

記事の内容が古くないか、時代や法改定などにより内容が変わっていないかなど見直しをする必要があります。またユーザー目線でも更新日があまりにも過去だと「この記事って最新の内容かな」と不安になると思うので、3ヶ月〜6ヶ月程度に1度は更新をかけてあげることが大切になります。

言い回しを変更したり、見出しのキーワードを変えたりなど記事のリライトはどんどんアップデートをかけていきましょう。

googleのガイドラインにも記事の鮮度について触れてあり最新で正確な記事がユーザーにとって読まれる→検索順位が上がるということに繋がります。

表示速度・階層構造

次はテクニカルSEOについてです。

こちらは主にwebサイトの情報をクローラーに伝えるための対策やユーザーにとってストレスない速度での画像や動画、ページを表示してあげることの対策です。

例えば画像の表示速度を速くするために画像を軽量化したり、ページの読み込みを全て一度に行うのではなく画面表示されたら読み込まれるようにするなどです。

社内にページ管理やサイト管理をしている部署があるのであればその部署と連携して進める必要があります。

まずは現状の診断としてこちらのページスピードインサイトというgoogle公式のツールがあるのでまずはこちらで現状のスコアを把握しましょう。https://pagespeed.web.dev/

多くの企業がSEOのインハウス化(内製化)を実施する背景

SEOの内製化(インハウス化)を検討する上で目的や実現したいこと企業によって様々です。では具体的にSEOのインハウス化を目指す背景や理由としてよく上がる声について見ていきましょう。

コスト削減

まずは「コスト削減」です。業務のボリュームにもよりますが現在代理店へ委託している業務量や質に対して外注費(販管費)が高すぎるという状況です。

レポートから日々のチューニングまで色々なタスクはありますが月40万円を超える場合、内製化する余地があります。

自社でリソース(人、時間)を捻出できる状況や見込みがあれば、業務を巻き取ることで代理店コストを削減するということです。

自社でもできそうなタスクが多い

SEOは一般のガイドラインが存在しているので、自社でチューニングできることも多いです。

SEOの場合は一部を内製化(インハウス化)している企業が多く例えば記事のコンテンツ企画やキーワード選定は自社で行い、記事の執筆だけ外部のライターに投げるケースです。

これだと外注費は記事作成料だけなので、数万円程度に抑えられます。ただコンテンツ量によっては大変なこともあるので自社のリソースやタスク量を鑑みる必要はありそうです。

自社にノウハウを貯めたい

また自社にノウハウを貯めたいということも理由の一つです。

例えばデジタルのハブとなる部門が自社にあり、各事業部へデジタルの推進をしたいというミッションがあったとします。各事業部はそれぞれ別々の代理店を使っていてコストもどんどん上がっています。

そうなると会社としても連携が取れてない状態で全社的に代理店依存した形態となってしまいます。

そこから脱却したいという会社は内製化を進めるべきです。SEOは一般的なガイドラインを設けやすく汎用性があるものを作成できるため内製化の第一歩としては取り組みがしやすいです。

また自社にノウハウを貯めたい理由として代理店へ丸投げ状態のため「他部署とSEOの話を自分たちでできない」ことも理由として上げられます。ページの管理を他部署がしていてページの改善(SEO)をデジタルハブとなるような部署が実施したいという場合、他部署に対してSEOの知識がないと自分たちでできない。代理店からの資料だけじゃ質問などの応対ができないなどの声があり、自分たちに説明ができるスキルと他部署などの実績を作ってノウハウを貯めたいという意向もあります。

代理店に不満

そして代理店への不満も内製化の理由の1つです。

複数社代理店を使ったがいずれも成果が上がらないスピードが遅い担当者がコロコロ変わるなど満足いかず自社での運用へ切り替えるという理由です。

これ自体は全く問題なくむしろ自然な流れです。しかし進め方を間違えると余計にコストがかかったり現場を混乱させ成果も落ちてしまうということになりかねないので注意が必要です(進め方についてはこの後解説)

SEOのインハウス化は失敗例が多い

では他社を含めてSEOの内製化はうまくいっているのかというと成功例と失敗例があります。失敗するケースは比較的共通の事項があり、成功へ導くためのエッセンスとして活用できるのでぜひ注意点としてご一読をお願いします

失敗するケース①:上司からの業務命令で

まず失敗例として一番多いのは「上司からの命令」です。いわゆるトップダウンで「販管費高いから内製化してコスト削減して」と命令が下ることです。これ自体は全く悪いことではないです。

逆に現場から内製化しようと声が上がる方が少ないです(なぜなら自分たちの仕事が増えるというネガティブな側面を重視して考えてしまうから)。

このトップダウン型が失敗に繋がる例として「現場の状況を加味していない」と言う点です。

現場の整備やリソース(人、稼働時間)の準備もないのにコスト面やなんとなく「そこまで難しいことしてないでしょ」と言う観点で内製化を進めてしまい、結果現場業務がどんどん増えて対応が追いつかないのに関わらず急な退職や異動でさらに人が減って「やっぱり代理店さんお願いします」となったケースもあります。

こうなっては本末転倒なのできちんと現場の状況を把握・連携して現実的なスケジュールで進めることが大事です。

失敗するケース②:リソースが取れず放置されてしまう

次は自社で内製化を実施することになったが、他業務と兼務という形態になってしまい、対応ができず放置してしまった事例です。

SEOにおいて実施することはわかっているがそこまで頻繁なチューニングはいらない状態で成果も一定水準は出ていたため他業務を優先して実施していました。

しかし1年以上放置をしてしまい、競合が対策を実施してきたため順位がどんどん落ちてしまい結果コストを当初の倍以上かけて成果を取り戻すということになってしまいました。

内製化していても業務時間が取れないでは本末転倒で結果コストかかっているのであればなおのことよくない例だと思います。

失敗するケース③:運用体制がなくなり結果アウトソースに先祖返り

これは人事異動や転職の例です。

インハウス化のためのリソース(人、時間)の確保はしておいたつもりでした。しかし会社の人事や担当者の転職によりインハウス化が難しくなってしまい、アウトソースを余儀なくされてしまう例です。社内整備を進める同時に担当者の希望のキャリアに業務が沿っているかなど体制を整える必要はあります。

単純に業務(タスク)だけを移管することが内製化ではないという良い例です。内製化(インハウス化)は業務ありきではなくリソース(人、時間)軸で考えないと業務効率や成果観点で全くプラスになりません。

弊社プロストイックは単なる業務の仕方をレクチャーするのではなく、内製化を実現することで何を達成したいのかを一緒に考えゴールを目指すご支援をしています。

SEOのインハウス化を進めるためのステップ

では具体的にSEOのインハウス化をどう進めるべきなのでしょうか。企業によって状況や目指すゴールが違うのであくまでスタンダードな進め方になりますがご参考にしていただければと思います。

1.ゴールを明確にする

まずはゴールの明確化です。

内製化(インハウス化)にも種類があり完全に自社でデジタルマーケティング業務を実施する完全インハウス型と一部は外部に委託する準インハウス型の2種類がありどちらを目指すかによって整備すべき体制や覚えるべき業務も変わってきます。

フェーズを分けて1年後、2年後、3年後それぞれでどんな姿を目指すのかを見定めましょう。

また目指す目的としてコスト削減を実現したいのか代理店を依存から脱却したいのか等明確にして進めましょう。最終的にどんなことを達成したかによって社内からの見え方や実施する意義などが変わります。

2.スケジュール・プランニング

ゴールが決まったら次はスケジュールです。具体的にどの手順でまず内製化をするにあたりどの業務を内製化するのか、あるいは内製化する以前に何を整備すべきなのか具体の事案とスケジュールを仮でもいいのでセットしていきます。

ここではスケジュール通り実施できたらベストですが外的な変数も多いため「このスケジュール通り進める上での課題発掘の機会」と捉えてもらえればと思います。

3.体制とリソース

ゴールやスケジュールが見えたら次は体制とリソースの準備です。

誰が担当するのか担当者の現状のレベル把握と稼働できる時間の見積もりを細かく実施します。(専任担当であればいいですが、他業務と掛け持ちの場合は厳密に稼働時間を見積もった方がいいです)。

ゴールとする内製化を実現するまでのスピードはこの体制とリソースによって大きく変化します。内製化における一番の重要事項と言っても過言ではないので丁寧に進めましょう

4.業務移管

上記1から3が整ったらいよいよ業務を代理店から移管する作業を進めていきます。

よくありがちなのがまずこの業務移管をゴールもスケジュールも無しに進めてしまう例が非常に多いです。

チャレンジで見切り発車をすることは決して悪いことではないのですが、無理をすることと無謀なチャレンジは全く別物で現場が混乱するだけなのでさらなるコスト高、退職率増加などに繋がりかねませんのでお勧めはしません。

SEOのインハウス化(内製化)の成功事例

では具体的にSEOのインハウス化で成功した事例やインハウス化を達成した事例でどんなものがあるのかを見ていきましょう。

学習塾:一部インハウス化

これは学習塾のSEO一部インハウス化の事例です。

同じ街に同業種、同種類の塾が複数あり、他の塾が方が知名度もあり集客がうまくいっている状況でした。そこで他社が実施していないデジタルに力を入れるべく自社でデジタルを推進していました。代理店を使っていましたが、成果が上がらずこちらの意図と違う施策を実施する一方でした。

そこでデジタル業務を内製化すべくまずはSEOから内製化することに決めました。

記事執筆などは外部にお願いすることを決めコンテンツの設計やキーワードの整理などSEOに必要な知識を身につけ自社で内製化を実現。コスト削減を年間数百万単位で実現しました。

本事例はまずとっかかりとしてSEOを第一優先事項で内製化してその後広告業務やSNSなどの内製化に踏み切っています。

人材業:一部インハウス化

人材会社の例は完全インハウス化の事例です。人材と言ってもかなり特殊な人材紹介をしている事業者様でコンテンツを書くために専門的な知識がある程度必要でした。

そのため記事執筆のライターさんを探すのが大変でした。そこでSEOの概念や知識も自社で用意すると同時にライティングの知識も担当者にインストールして完全インハウスを実現しました。

現在はAIなどを駆使してなるべく執筆業務を自動化して効率的に業務を進めています。

ライターを探す時間や仕組み化をする期間を含めて約1年半程度時間を要しました。

まとめ

ここまでSEOのインハウス化(内製化)について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

自社でもできそう、自社だと難しそうなどそれぞれ感じたことはあると思います。「できそう」「難しそう」「必要なさそう」などを判断する前に「具体的な失敗例・成功例」や「自社の状況を診断してほしい」などご要望があればプロストイックがご相談を承ります。ぜひお問合せください!

プロストイックは代理店依存を脱却してコスト削減と成果向上を同時に実現します

プロストイックは他代理店が決して積極的に提案をしたがらない業務のインハウス化(内製化)を中心に支援を行っております。

コスト削減や自社でマーケティング業務を回せる体制を作りたいなどお問い合わせいただく理由は様々ですが、今以上に成果やコスト削減を出せることを目指します。

インハウス化というと多くの決済者・現場責任者の方は「うちはリソース無いから無理だよ」「安いからアウトソースでいいよ」と一言目に否定的な意見から入ります。しかし詳しくお話を聞くと現状に課題を抱えていることが多く、インハウス化した方がよいのに「できない理由」を勝手に作ってしまっている方がかなり多いです。

プロストイックも広告やSEOの運用はさせていただいていますが、出口戦略として「デジタルマーケティング業務のインハウス化」をご提案しており、永遠に代理店コストが増えていく体制、担当変更による成果の不安定化などの問題がつきまとう状態ではなく、一定のタスクは自社で賄うことで外的な変動リスクに備える体制を作ることができます。

ぜひ当社資料をダウンロードいただき一度ご検討をいただけると幸いです。

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