皆さんこんにちはプロストイックの久保田です。
本日はGA4・GTMなどのタグ周りにおけるインハウス化の失敗例について解説させていただきます。
GA4・タグの内製化・インハウス化とは?
GA4やタグなど計測周りのインハウス化にも広告やSEOなどの施策と自社で完全に内製化(インハウス化)するケースとタグ設置などセンシティブな部分やGA4と外部ツールとの連携などを一部だけアウトソースする準インハウス化のケースがあります(インハウス化について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください)。
ここではGA4・GTMなどのタグ周りのタスクとどういった内容で他社がインハウス化をして業務効率化やコスト削減を実現しているのかをご紹介します。
コンバージョン等の成果管理
まずはコンバージョン管理についてです。多くの企業では自社のKPI(購入・申し込み・リード獲得)をGAで管理されていると思います。
サンクスページへのタグ設置やGoogle tag managerとの連携、各種媒体とのタグ連携などコンバージョンをGA4で管理するにも多くのタスクが存在します。
自社のシステムやサイト構造が複雑でなければ基本的には検索して出てくる内容なので自社で一人マーケター、あるいはアドバイザリー的なポジションの人間がいれば解決することが多い内容です。
外部の代理店へ委託することもできますが、基本的には一度設定すればあまり変更を加えることはないので、月額費用というよりスポット依頼で解決することが多いです。
タグの設定・管理
加えてタグの設定・管理も自社内でインハウス化できるタスクとなります。
このタグの設定自体は詳しいマーケターがいれば解決するのですが、「管理面」についてはできていない企業が非常に多いです。
「過去の代理店が好き勝手にいじっていた」「担当者が一人いたが属人化していて退職と同時に引き継ぎをしていないので放置された状態など」など、意外と管理ができていない企業が多いです。
できていなくてもなんとか業務は回っているので後回しにされがちです。
しかしいざタグの変更や見直しを実施しようとすると困りアウトソース(代理店へ委託)する企業が多い傾向です。
分析レポート
自社内のリソース(人、時間)がなくて分析のレポートを外部へアウトソースする企業がかなり多いです。
外部へ出す内容は大きく2パターンあります。
①自動的に自社レポートを生成してくれるツールベンター的な支援
②人ベースでレポーティングを依頼するパターン
①のレポート自動生成系ツールに関してはスピードが早いことが特徴で、前月の振り返りを月初にしたい時比較的早くレポートがでます。
しかし示唆や課題、次に繋がるアクションなどが記載がないケースもあり自社内で解釈が必要となりそこに時間を取られているケースが目立ちます。
②の人ベースはその人のスキルセット次第な部分がかなり多いです。
かかる時間も考察の質も自社サービスの理解やユーザー理解によってクオリティが変わります。
加えてこちらも複数人で実施しない場合属人化するケースなので急に辞める必要がある時は余計にコストがかかるケースがあります。
外部ツールとの連携・APIなど
GA4をより活かして活用する場合、Big queryやトレジャーデータなどを使うこともあると思います。
外部ツールとの連携にあたり必要な作業はベンダーへアウトソースをするケースがほとんどです。
自社内に詳しい人材がいれば、できなくはないですが短期間での育成や理解はかなりハードルが高く難しい場合が多いです。
GA4・タグのインハウス化(内製化)を実施する背景
ではGA4やGTMなどのタグ周りについて多くの企業はどういった理由で内製化(インハウス化)をしているのでしょうか。多くの企業をご支援している中で傾向が見えてきたので、主な理由をお話しします。
コスト削減
多くの企業で上がる声として多いのは「コスト削減」です。
タグの設置や管理、レポートなどは自社内のリソースでも賄える企業は外部への委託費用を削減して自社で賄っています。
詳しい方が1人社内にいれば比較的解決することが多い内容のため、インハウス化(内製化)におけるハードルはリソースとスキルがあればそこまで高くはありません。
外部に出すと場合によっては1~2人分の費用がかかるケースもあります。
しかし詳細を把握している人が社内に1人しかいないと、退職や異動などの状況の際に誰も管理できなくなってしまうため、どこかのタイミングでマニュアルや管理ファイルなどを準備する必要はあります。
これをせずに人が抜けてしまっている企業が大変多く、結果的に管理がおざなりで何が何だかわからないという状況に陥ってしまいます。
コスト削減は確かに可能ですが、結果的に成果や最悪セキュリティ事故なども発生するリスクがあることを念頭において進める必要があります。
仕組み化で解決できる
加えて仕組みで解決することがあるためインハウス化を検討している企業も多くおります。
ここでいう仕組み化はタグ管理というより分析レポート面が傾向として多いです。
自社でレポートを作成するとかなり工数もかかるし、既存業務に追われて社内用のレポートなどを作ってる余裕もありません。また上長に報告するケースを除きわざわざ精緻なレポートを作ることをしていない企業も多く存在しています。
しかし自社の課題や先月の良かった点、悪かった点についてはきちんと振り返りをしたいと考えている企業はレポートを自動化する仕組みを作ったり、自動化ツールを導入して効率的にレポートを作成して振り返りをしている会社も多く存在しています。
GA4・タグのインハウス化は失敗例が多い
ここまでGA4・GTMなどのインハウス化(内製化)についてご紹介をしてきましたが、実際には上手くいっていない企業も一定数存在ます。
というか上手くいっていない企業の方が多いです。
傾向としてはどうしても「コスト削減」が先行してしまい、成果という部分が二の次になってしまい結果的に理想の形とは程遠い状態に落ちいている傾向があります。
ここでいう失敗とはインハウス化(内製化)の失敗のことで、自分たちで実施していたが、結果的に外部ベンダーへ委託する形となってしまったことです。
では具体的にどういったケースで失敗しているのか具体的な中身を見ていきましょう。
失敗するケース①:数値の解釈ができない
まずは「成果」部分での失敗例です。GA4やGTMは取り合えずサイトを作る際に業者に導入してもらったが上手く活用ができていないケースです。
自社の社員に任せてはいるがそもそも使ったことがあまりなく、使う時間もない、使い方も知らないというケースです。
もっと具体的な課題・ネックとしては「データは出せるが数値の解釈ができないか」「どんなデータを出せばいいのかわからない状態」「そもそもデータの出し方がわからない」というの3パターンが多い傾向です。
これはインハウス化とはなかなか呼べない状態かと思います。
このケースの場合は一度詳しい代理店へ委託して基盤を整備してもらってからインハウス化をするなどの対策をとった方が良いでしょう。
失敗するケース②:担当者の急な退職
次は社内担当者の急な退職・異動です。これまで一人で管理してきた方が急な部署異動や退職などで管理者が突然いなくなってしまうケースです。傾向としてかなり急に決まるケースが多く引き継ぎ期間もあまり取れない中で管理する人がいなくなってしまうという場合です。
もちろんログなどを残しておくんですが、やはり不明点は多く出てきてしまって、結果的に引き継いだ後任の方もゼロから見直しをかけることになってしまうことが多いようです。
失敗するケース③:タグコードの埋め込み・管理作業
こちらは具体のお話ですがやはり普段ソースコードやサイトの裏側を触らない方にとってタグを設置したりする作業には抵抗があるようでタグの設定を変更したり、張り替えをすることができないようです。
自分たちでやったがミスをしてサイトが落ちてしまったり、うまく計測されず結果的にアウトソースするケースが多いようです。
こちらはこれまでGA4などにあまり触れてこなかった方が担当していたり、前の担当から引き継ぎをした際に発生する課題として多い傾向があります。
失敗するケース④:管理ができない
そしてタグの管理、ツールの管理ができないというのも失敗する理由です。
先程の担当者の退職や異動、加えて引き継ぎ担当者が初心者ならなおのことブラックボックス化する可能性が高いです。
GA4・タグのインハウス化を進めるためのステップ
ではGA4やgoogle tag managerのインハウス化にあたって、どんな進め方がベストなのでしょうか。
これは結論企業によってさまざまです。というのも状況が全く違うためどこをゴールにするかによってどこから始めたらいいのかが全く違うからです。しかし多くの企業が行なっているやり方でオーソドックスな進め方があるので、こちらをご紹介します。
1.現状把握とゴールの明確化
まずは現在使用しているツールや外部ベンダーの依存度を把握、評価します。
この度合いによってこの後の工程のスケジュールやプランが変わります。
そして目的・目標設定です。何を目的・目標とするかがとても重要でここを決めずに走り出す人が非常に多いです。
目的はデータ分析の精度向上、マーケティングの効率化、コスト削減などの具体的な目的を設定しつつ、具体の内容を目標として落としましょう。例えばコスト削減であれば年間1,000万円削減や成果120%向上などです。
2.スケジュール・プランニング
具体の目的・目標が決まったら次はスケジュールを立てていきましょう。
走り出してみてスケジューリングをする方もいますが、まずは概算でもよいのでいつまでにどうしたいかを決めましょう。
動き出してみてスケジュール通りいかないことがほとんどですが、適宜相談しつつスケジュールをずらすなどして対応していく形を取るのがよいと思ます。
3.体制とリソース
そして社内の担当者のスキルやナレッジを醸成します。
GA4やGTMに関するトレーニングを実施して、必要な専門知識を習得します。またそれと同時に担当チームでデータ分析やタグの管理などできるように整備をします。
またナレッジを貯めるまでは当社プロストイックが基盤を整備してから内製化を進めることも可能です。
4.業務移管
一定のナレッジやスキルが溜まったら徐々に業務を自社内だけで回せるようにタスクを引き継いでいきます。引き継ぎ先の担当者が自分で手を動かせるようになるまできちんとサポートいたします。
自社でPDCAを回すスキルや体制が取れた段階で実際にインハウス化を実現する前と後の成果を比較してみましょう。
まとめ
ここまでいかがだったでしょうか。
GA4やGoogle tag mangagerのインハウス化の特徴としてデータを見る力を養ったり、ややhtml,css,javascriptに関連する内容が出てくるためここに苦手意識を持っている方が多いと難しいのですが内容的には誰にでも理解できるものなので、マニュアルやドキュメントを整備すれば自社内で対応可能なものになります。
不明点や疑問点があればぜひ弊社へお問い合わせいただけると幸いです。